利用状況を遠隔モニタリングする国内初の自動ドアデータプラットフォームを提供

 オプテックス(株)は、自動ドアから得られるデータ(稼働情報、速度などの各種設定値、エラー情報)を提供できる自動ドアデータプラットフォームを、2021年1月より提供開始する。収集したデータを活用することで、現場から離れた場所でも自動ドアの利用状況がリアルタイムに可視化でき、機器や設備の予防保全や保守サポートの効率化を図ることが可能となる。第一弾は、自動ドア保守契約サービスに活用される。

 日本国内の自動ドアの安全規格として制定されている「JIS A 4722(※1)」は、メーカーをはじめとする関係各社が自動ドアの安全対策として取り組むべき内容が明確化され、CAN通信(※2)を用いた機器同士の相互監視を行うなど、これまで以上の安全対策が要求されている。 オプテックスでは、CAN通信を用いた自動ドアシステムにIoT技術を組み合わせ、データを伝送するゲートウェイ、設定アプリ、各種データ保存サーバーで構成された自動ドアデータプラットフォームを開発した。自動ドア本体やセンサなどの接続機器の稼働状態、開閉回数などを取得し、リアルタイムに自動ドアの異常や故障を監視することができる国内初のデータサービスとなるという。

 このデータプラットフォームを活用するサービスの第一弾として、自動ドア装置の販売、施工、保守メンテナンスを行うフルテック(株)と共同開発した、遠隔モニタリングシステムによる自動ドア保守契約サービスに利用してもらう。各種自動ドアシステムから取得したデータを同社のサーバーを介しフルテック社のサーバーに送信、そのデータを活用して故障、予兆、保全対応を行う。 現在、自動ドアは継続的な維持管理のために、定期的に担当者が現場に出向き確認・点検を行っているが、今回のシステムを導入することで、遠隔でリアルタイムに現場の状況が把握でき、効率的なメンテナンスを実現できるとのこと。

 「JIS A 4722」は、自動ドアを構成する要素の商品設計・製造から施工、自動ドアが安全を維持し稼働できているか運用管理者による保守点検に至る全行程が対象範囲となる。オプテックスとパートナーシップを確立しているフルテック社の両社の専門的知見を活かし、属人化していた監視・点検の暗黙知を形式知として可視化するデータ活用で、自動ドア保守サービス提供が可能となった。

□画像:システム構成図_オプテックスの自動ドアデータプラットフォームとフルテック社サービスの流れ

(※1)JIS A 4722は、経済産業省より2017年3月、自動ドア全般にわたる安全規格 『JIS A 4722(歩行者用自動ドアセット -安全性)』として制定された。高齢者や子ども、お身体の不自由な方に配慮した安全思想と、設計段階からの安全に対する工夫と配慮により、これまで以上に、すべての人が安心して自動ドアをご利用いただくことを目的としている。
 安全ガイドブック(全国自動ドア協会)
 http://www.jada-info.jp/topics/documents/anzen_guide_book_JISA4722_2019.pdf

(※2)CAN (Controller Area Network)は ISO(国際標準化機構)の規格に準拠した通信技術で、自動車をはじめとして医療機器やFA・産業機器など幅広い分野で採用されている。

ニュースリリースサイト(optex):https://www.optex.co.jp/news/2020/1026.html