富山県立大ら,SPR味覚センサを開発

「OPTRONICS Online」によると、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による「NEDO AI&ROBOT NEXT シンポジウム ~人を見守る人工知能,人と協協働するロボットの実現に向けて~」が開催された。 その際に「革新的なセンシング技術」として7つの技術の発表と展示が行なわれ、その中で富山県立大学,東京大学,電気通信大学,富士電機,マイクロマシンセンターの研究グループは,表面プラズモン共鳴(SPR)を応用したMEMS味覚センサの開発を紹介したとのこと。
(画像は「味覚センサの原理」の図)

これはSPRによって試料中の化学物質を検出し,味を同定するというもの。ロボットの指先等に搭載することで,例えば入院中の患者や老人ホームに入所する高齢者の食の安全や健康管理に役立てることが期待できる。また,食品工場のラインに導入することで,生産した製品の品質の均一化といった用途も考えられるとしている。

このセンサは応答が早いためリアルタイムでの計測が可能で,濃度にして0.01%程度の物質が検出できる。現在のところ,塩見,甘味,苦味に対応した認識膜があり,塩分であればナトリウムとカリウム,甘味であれば果糖とショ糖といった判別も可能だという。

研究グループでは異なる種類のチップをアレー化することで,様々な味覚に対応するセンサとすることも考えている。また,味覚以外にも危険物質やアレルゲンの検出など,センサとして幅広い応用が期待できる。研究グループでは,まず富士電機での製品化を目指して開発を進めたいとしている。と伝えている。

ニュースサイト(OPTRONICS Online):
http://www.optronics-media.com/news/20200120/62383/